手技療法のお話し
まずはじめに、手技療法とは簡単にいうと、押したり揉んだり摩ったりすることです。
医学の世界では「再現性」という言葉がよく出てきます。
要するに同じ治療法を誰がやっても同じ結果が出る、ということです。
但し、手技療法の場合は術者によって結果がばらつきます。
なぜかというと習熟度が人によって異なり、器用不器用、手技のうまい下手がついて回るからです。たとえ同じ筋肉をとらえ同じ圧、同じ時間で押したとしても、指の大きさ、手の大きさ、体重、体格が違うからです。
それから同じ術者でもコンディションとかその時の気分とか、手技を取りまく要因によっても効果に変化が出てきそうです。
もっと言うなら全く同一の刺激を与え続けることは人間の手では不可能と思っています。
(マッサージ機や機械では可能だと思いますが)
でも、時にはその不均一な刺激しか与えられないところが手技療法のメリットだったりします。
どういうことかと申しますと、、、
患者様側からしてみると同じ刺激が続くていくということはお身体に慣れが生じます。
言い換えてみれば「身体が治療に飽きてしまう」という状態。
そういう面では手技療法のバラツキも武器であり、メリットであったりもするわけです。
もちろんバラツキがあったとしても、効いたり効かなかったりでは困りますが。
患者様と術者の相性、術者の意図していなかった効果が出るケース、再現性とは対立するかもしれない手技療法ならではの特色があります。
マニュアル通り、教科書通りではないのが、手技療法の面白いところであります。これまで色んな症例を診てきましたが、大体の治療の道筋は同じでも誰1人として同じ事はありませんでした。
是非、患者様にはお身体の変化を楽しんでいただけると幸いです。
そのためにも日々勉強、修行あるのみですね。